「世界史は捨てて、数学で殴れ。高3文転から1年で逃げ切る超合理術」

長谷川 里奈さん長谷川(経・文転)

【プロフィール】

  • 氏名:長谷川 里奈(はせがわ りな)

  • 所属:京都大学 経済学部 2回生(文系受験)

  • 出身高校:首都圏の私立進学校(元理系クラス在籍)

  • 得意科目:数学(理系数学ⅠAⅡBまで履修済み)

  • 苦手科目:世界史、古典

  • 受験の特徴:高2の終わりまで理系志望だったが、高3進級時に文転を決意。社会科目の知識がほぼゼロの状態から、わずか1年で合格レベルまで仕上げた「超効率重視」タイプ。


【インタビュー】「知識ゼロからの世界史」 高3春の文転が生んだ、京大合格への最短戦略思考

鴨川沿いのベンチで、ノートパソコンを広げていた長谷川里奈さん。スマートな印象を与える彼女だが、その受験生活は波乱万丈だった。なんと高3になる直前まで理系クラスにおり、そこから急遽、文系の最高峰である京大経済学部を目指すことに。残された時間は1年弱。圧倒的な知識不足を、持ち前の論理的思考力と戦略でいかにカバーしたのか。その壮絶な「受験勉強」の内実に迫った。

――高3直前での文転は勇気が要ったと思います。なぜその決断を?

「元々物理が好きで理系にいたんですが、実験がとにかく苦手で(笑)。将来を考えた時、研究職よりは、社会の仕組みや経済活動そのものに興味があることに気づいたんです。どうせ文系に行くなら、数学受験ができて、自由な学風の京大を目指そうと決めました」

――最大の壁は、やはり未履修の社会科目(世界史)ですよね?

「はい、絶望的でした。周りの文系の子たちが通史を一通り終えている時期に、私はメソポタミア文明すら怪しいレベル。模試の偏差値は30台でした。正直、普通に教科書を最初から読んで暗記していたら絶対に間に合わないと思いました」

――そこでどのような戦略を立てたのですか?

「『捨てる勇気』と『幹を作る勉強』に徹しました。京大の世界史は、細かい用語暗記よりも、歴史の大きな流れや因果関係を論述させる問題が中心です。だから、年号やマイナーな人名を覚えるのは思い切って捨てました。

代わりに何をやったかと言うと、まずマンガ版の世界史を読んで全体像を把握します。次に、『タテ(各国史)とヨコ(同時代史)』のつながりが整理された薄い参考書だけを使い、歴史の因果関係を徹底的に頭に叩き込みました。『なぜこの戦争が起きて、どういう結果になったか』を自分の言葉で説明できるようにする訓練ですね。知識の『量』ではなく『質』で勝負する戦略です」

――理系出身の強みである数学はどう活かしましたか?

「数学は私の生命線でした。文系数学の範囲(ⅠAⅡB)は既に理系クラスで履修済みだったので、基礎固めの時間は最小限にして、夏前からひたすら京大の過去問演習に入りました。

京大の文系数学は、発想力が必要で差がつきやすい。目標は『5問中3問完答、残り2問も部分点狙い』。世界史で落とすであろう点数を、得意の数学でカバーして、トータルで合格最低点+αに乗せる計算でした」

――非常に合理的な戦略ですね。精神的に追い詰められることは?

「秋の模試で世界史が伸び悩んだ時はキツかったですね。でも、『やるしかない』と割り切りました。スキマ時間は全て世界史の一問一答(流れを確認する用)に充てて、お風呂の中でもブツブツと歴史の流れを唱えていました。最後はもう、気力ですね」

**――最後に、時間がなくて焦っている受験生にアドバイスをお願いします。

「時間が足りないなら、正攻法は捨ててください。志望校の過去問を徹底的に分析して、『合格に必要な最低限のこと』は何なのかを突き止めること。そして、自分に残されたリソース(時間と能力)をそこに集中投下するんです。完璧を目指す必要はありません。戦略次第で、逆転は十分に可能です」

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